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世界観を変えた道具−レンズ−(2)
=レンズ研磨のための装置=
現在でも研磨皿とガラス素材を摺り合わせるというアイディアは古い時代と同じ

回転する研磨皿の上にガラス素材を載せて研磨(砂かけ研磨)

研磨皿は装置の下にはモーターがあり、モーターの回転で研磨皿は回転します。ガラス素材は上から針先の様な腕を持った装置で研磨皿の上に押しつけられています。
上から素材を押しつけている腕は左右に揺動します。研磨皿の上には水に溶いた研磨剤が循環ポンプで連続的に供給されます。
研磨皿の回転、上から押しつられた腕の揺動によりガラス素材は回転しながら均一に研磨されていきます。
何段階かの研磨行程を経てレンズは作られる

研磨行程に応じて複数の研磨皿を使用する

研磨皿は多種多様なレンズの研磨に汎用的に使えるものではありません。特定のレンズそれぞれに適した研磨皿を用意する必要があります。更に一つの曲率のレンズも何段階にも分けて研磨しますのでそれぞれの作業のために別々の研磨皿が必要となります。つまり、一種類のレンズを作るのにも何種類もの研磨皿を用意しなければならないのです。

レンズ研磨機(砂かけ機)

研磨機も、研磨行程に応じて複数の研磨装置が使われる

研磨行程で目の粗い研磨材が仕上げ用の行程に入り込むとレンズに傷が付くことから、同じような研磨機ですが「砂かけ機」「研磨機」と区別して複数の装置を使って研磨作業を行います。
シンクの下側にセットされた研磨皿(砂かけ皿)は装置の下のモーターに繋がっており、ロクロのように回転します。上から伸びてきている腕でレンズホルダーにセットされたガラス素材が皿の上に圧縮空気の力で押しつけられます。
上から伸びてきている腕はこの装置の場合、前後に揺動し、均一に表面が研磨されます。

研磨皿の上には水に溶いた研磨剤が循環ポンプで連続的に供給されます。
研磨皿の回転、上から押しつられた腕の揺動によりガラス素材は回転しながら研磨されていきます。

研磨済みレンズ

ニュートン盤で研磨精度を確認

研磨を完了したレンズは、非常に高精度で作られたニュートン盤(レンズと逆の曲率を持ったレンズの基準となる原器)と重ねることで、得られる干渉縞で研磨精度を確認出来ます。
写真では4-5本の干渉縞が現れています。完全にニュートン盤と一致すれば干渉縞さえ現れませんが、4-5本程度の干渉縞が出るとすれば相当高精度のレンズに仕上がっているそうです。


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